出会い編「第六話」終わり切れなかった関係

出会い編

突然、電話がかかってきた。

画面に表示された名前を見て、

少しだけ間が空く。

でも、出た。

「もしもし?」

「あ、久しぶり!」

その声は、あのときと何も変わっていなかった。

少しだけ安心する自分がいた。

少しだけ、拍子抜けもしていた。

しばらく他愛もない会話が続いたあと、

彼女がふと、真面目なトーンで言った。

「なんかさ…やっぱり、もどかしくて」

一瞬、言葉の意味を考える。

「自分から離れたのに、変だよね」

そう言って、少し笑った。

正直、よくわからなかった。

あんな終わり方をしておいて、

またこうして戻ってくる理由も。

でも——

深く考えるのをやめた。

特に何も聞かず、

特に何も責めず、

何もなかったみたいに。

それから、また連絡を取るようになった。

会うこともあった。

ただ——

前みたいな頻度ではなかった。

二ヶ月に一回くらい。

思い出したように連絡が来て、

なんとなく会って、遊んで

なんとなく時間が過ぎる。

特別でもなく、

でも完全に切れるわけでもない。

そんな距離感が、

いつの間にか当たり前になり

心地よく感じていた僕がいた。

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