
まだ、付き合っているわけじゃない。
でも、
気づけば彼女の荷物はこの部屋にあって、
仕事が終わると、
彼女が家に来てくれる。
そんな生活が続いていた。
一緒に住んでいるわけじゃない。
でも、
一人でもない。
その曖昧な距離が、
いつの間にか当たり前になっていた。
仕事が終わったら彼女が来てくれる
まだ一緒に住んでもないのに
「おかえり」と言ってしまう。
そして
一緒にご飯を食べる。
他愛もない会話をして、
同じ時間を過ごす。
それだけのことが、
驚くほど心地よかった。
一人でいる寂しさは、
いつの間にか消えていた。
気づけば僕は、
彼女に惹かれていた。
このまま付き合って楽しい時間を過ごしたい
そう思い始めていた。
このまま曖昧な関係を続けるくらいなら
しっかり向き合おうと
——だからこそ、
気づくのが遅れたのかもしれない。

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