出会い編「第三話」初対面

出会い編

約束の日、僕は自宅の最寄りのコインパーキングに向かった。

「着いた!」

そう連絡を入れると、すぐに返信が来る。

「今行くー!」

数分後、彼女がから降りてきた。

初めての対面。

画面越しで見ていた通りの顔だった。
むしろ少し大人っぽく見えて、「当たりかも」とすら思った。

「家に余ってた食材持ってきた!」

そう言って彼女が見せてきたのは、鍋の食材だった。

野菜や肉、スープまで一通り揃っている。

正直、かなり印象は良かった。

まだ会ったばかりなのに、ここまで準備してくれている。
気も利くし、ちゃんとしてる人なんだなって思った。

「ありがとー!助かります!」

その時の俺は、何も疑ってなかった。

むしろ、完全に好印象だった。

「一応確認だけどほんとに家で大丈夫?」

そう僕が聞くと

「ちゃんとしてそうだし私も気になってるから大丈夫だよ!」

そう言われて、僕も嬉しくなりそのまま家に向かう。

初対面で家に呼ぶのも普通じゃないし、
相手もそれを当たり前のように受け入れている。

今思えば違和感はあったはずなのに、
その時の俺は、それすら“いい方向”に捉えていた。

家に着いて、2人で鍋の準備をする。

自然と距離も近くなって、会話も弾む。

──でも。

ほんの少しだけ、引っかかるものがあった。

うまく言えないけど、どこか噛み合っていない。

気のせいだと思える程度の、小さなズレ。

でもその違和感は、時間が経つにつれて
少しずつ、はっきりした形になっていく。

そしてその時、僕は“あること”に気づいた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました