交際編「第八話」心地よい日常

交際編
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まだ、付き合っているわけじゃない。

でも、

気づけば彼女の荷物はこの部屋にあって、

仕事が終わると、

彼女が家に来てくれる。

そんな生活が続いていた。

一緒に住んでいるわけじゃない。

でも、

一人でもない。

その曖昧な距離が、

いつの間にか当たり前になっていた。

仕事が終わったら彼女が来てくれる

まだ一緒に住んでもないのに

「おかえり」と言ってしまう。

そして

一緒にご飯を食べる。

他愛もない会話をして、

同じ時間を過ごす。

それだけのことが、

驚くほど心地よかった。

一人でいる寂しさは、

いつの間にか消えていた。

気づけば僕は、

彼女に惹かれていた。

このまま付き合って楽しい時間を過ごしたい

そう思い始めていた。

このまま曖昧な関係を続けるくらいなら

しっかり向き合おうと

——だからこそ、

気づくのが遅れたのかもしれない。

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